半導体と基板を接続するボンディングにはさまざまな手法があり、特に多く用いられているのがワイヤーボンディングやフリップチップボンディングです。ここでは、両者について紹介しています。
ワイヤーボンディングとは、集積回路の電極と半導体の電極をワイヤーで接続する技術です。コストが低く、ワイヤーを自由に配置できるため、半導体の接続だけでなく、各種電子部品やプリント基板同士、集積回路内部の接続などでも用いられています。
ワイヤーボンディングには、ワイヤーの先端をボール状に形成し熱・超音波・圧力で接続する「ボールボンディング」と、超音波と圧力でそのまま接続する「ウェッジボンディング」があります。
フリップチップボンディングでは半導体チップを180度反転させ、配線のためのバンプに直接実装する技術。直接接続することから抵抗値が低く損失も少なくなっています。また、端子を一括で接続する為、多端子になろうともサイズは変わらずコンパクト。インダクタンス成分が少ないので高周波向きです。
ただ、フリップチップボンディングでは専用の搭載機が必要などコストがかかります。
ワイヤーボンディングとフリップチップボンディングの大きな違いは、前者はワイヤーを使って電極同士を接続させているのに対して、後者は電極に直接接続していることです。そのため、省スペース、コンパクトに作りたい場合ではフリップチップボンディングが向いています。
また、フリップチップボンディングはより高速な電気信号が可能です。ただ、高度な技術と精密な製造手順と複雑でコストも高め。セットアップと製造にかかるコストではワイヤーボンディングの方が安価です。
ボンディングでは、ワイヤーやバンプのサイズが小さくなるにつれて高精度な装置やプロセスが必要になり、大量生産や作業のオートメーション化を難しくします。高度な装置や材料を用いるとなると、コストの上昇も懸念されます。
また、電極下地成分が電極表面に拡散して酸化物を形成したり、電極表面への有機物の付着・残存で、剥離などの不具合がみられることも。熱疲労や金属腐食などから接合部の劣化が発生するなど、長期の使用で問題となる場合もあります。
半導体の接続にはさまざまな方法があり、どの手法を用いるかでコストやセットアップ、可能な製品サイズと性能などが異なります。大規模製造の場合ではコストが安価なワイヤーボンディングが向いていますが、高速デバイスや小型製品の製造ではフリップチップボンディングが向いています。
トップページではフリップチップボンディングの受託企業を取り上げ、目的別に比較しています。フリップチップボンディングを含めた半導体後工程を委託する際の参考にしてみてください。
フリップチップボンディングを含めた半導体製造後工程を委託することができる企業の中で、高度な技術による「小型化・高速化」複数製造会社での分散対応による「短納期」部品調達による「低コスト」と、それぞれの特長を持つおすすめの企業を紹介します。ぜひ委託先を選定する際の参考にしてください。
大学や研究機関と連携する技術開発に強みを持つ企業。端子ピッチ30μmの実装や6Gなど次世代通信の200GHzクラスに対応する実装も可能です。
小型化・高速化に向けた高精度な実装が求められるイメージセンサのパッケージングやカメラモジュール、次世代通信などへの対応に適しています。
高い技術を持つ製造会社を委託先に持つ、自社工場を持たないファブレス企業。1案件を複数の企業で分散対応できるため短納期が実現可能です。
スマートデバイスやPC関連機器、IoTデバイスなど製品のライフサイクルが短く、迅速な製品投入が必要な場合に適しています。
部品調達において国内外に50を超える多様なネットワークを構築(※)しており、低価格での仕入れが可能。低コストでの量産を実現できます。
家庭用電子製品やオーディオ機器製品など、売れ行きが予測できる製品のシェア拡大を狙った量産が求められる場合などに適しています。
※2024年10月確認時点:参照元:ピーダブルビー公式HP(https://pwb.co.jp/service/assembly/)