半導体におけるアライメントとは

目次

アライメントとは、半導体の製造工程において、ウェーハやチップ、基板などの位置と向きを正しく合わせる作業のこと。なかでもフリップチップ実装では、チップのバンプと基板の電極を1つずつ正確に重ね合わせる必要があり、わずかな位置ズレが接続不良や歩留まりの低下に直結します。端子ピッチの微細化が進むほど、要求される位置決め精度は厳しくなり、対応できる企業も限られてきます。

ここでは、実装工程におけるアライメントの役割と方式、精度を落とす要因と対策、そして委託先を選ぶ際に確認すべきポイントを解説します。

アライメントとは

アライメントは半導体製造の複数の工程で登場しますが、前工程(ウェーハプロセス)と後工程(実装)では、合わせる対象も求められる精度も異なります

露光工程のアライメント(重ね合わせ)

前工程のフォトリソグラフィでは、ウェーハ上にすでに形成されたパターンに対し、次に転写するマスクのパターンを正確に重ね合わせる必要があります。回路は何層も積み重ねて作られるため、層と層の位置がズレれば回路として成立しません。この重ね合わせ精度を確保するのが、露光工程のアライメントです。

マスクとウェーハを直接接触させてパターンを転写する接触アライメント、レーザーで非接触に位置を検出するレーザーアライメント、電子ビームでアライメントマークを読み取る電子ビームアライメントなどの方式があります。非接触方式はウェーハやマスクを傷つけるリスクが低く、微細なパターン形成に適していますが、電子ビーム方式は装置コストが高く量産には向きにくいという特性もあります。

実装工程のアライメント(チップと基板の位置合わせ)

一方、後工程の実装におけるアライメントは、チップと基板(またはチップとチップ)の相対位置を合わせる作業です。

フリップチップ実装では、チップの回路面を下向きにして、表面に形成したバンプを基板の電極に直接接合します。ワイヤボンディングのようにワイヤで引き回すのではなく、面全体で一気に接続するため、チップを置く位置と角度がそのまま全端子の接続品質を決めてしまいます

つまり実装工程のアライメントは、歩留まりと電気特性を直接左右する工程だといえます。

フリップチップ実装でアライメント精度が重要な理由

端子ピッチが狭いほど、許容できるズレは小さくなる

フリップチップ実装で許容される位置ズレは、バンプの径と端子ピッチに応じて決まります。隣り合う端子の間隔が狭くなれば、それだけ「隣に触れてしまうまでの余裕」が小さくなるためです。

一般的なピッチであれば装置の標準的な位置決め精度で十分でも、数十μmクラスの狭ピッチになると話は変わります。装置の機械精度、画像認識の分解能、加熱時の挙動まで含めて作り込まなければ、安定した接合は得られません。微細ピッチに対応できるかどうかは、その企業のアライメント技術そのものを示す指標になります

位置ズレが引き起こす主な不具合

高周波・光学部品ではさらに要求が厳しい

高速伝送や高周波デバイスでは、接合部の形状のばらつきが伝送特性の劣化につながります。また、マイクロLEDや光学部品では、光軸のわずかなズレがそのまま光学性能の低下になります

こうした領域では、単に「つながっていればよい」ではなく、設計どおりの位置精度で接合されていることが性能要件になります。

実装工程で使われるアライメントの方式

画像認識(2視野カメラ)アライメント

フリップチップボンダで広く使われる方式です。チップの下面と基板の上面を同時に撮像できるカメラをチップと基板の間に差し込み、双方の位置を読み取ってから重ね合わせます。チップを裏返した状態でも接合面を直接見て補正できるため、狭ピッチ実装の基本となる手法です。

アライメントマーク基準/パターン基準

チップや基板にあらかじめ設けた専用のアライメントマークを基準にする方法と、既存の配線パターンや電極そのものを基準にする方法があります。マークを設ける場合は、設計段階でマークの形状・位置を実装工程と擦り合わせておくことが重要です。実装を前提とした設計段階からの相談ができるかどうかが、後工程の精度を左右します

セルフアライメント効果(マスリフロー)

はんだを使うマスリフロー方式では、はんだが溶融した際の表面張力によってチップが本来の位置に引き寄せられる「セルフアライメント効果」が働きます。搭載時の位置精度をある程度補正してくれる利点がある一方、狭ピッチ化が進むと効果に頼りきれず、搭載時点での精度が求められます

これに対し、加熱しながら加圧して接合する熱圧着(TCB)は、搭載した位置がそのまま接合位置になるため、装置の位置決め精度がより直接的に効いてきます。

アライメント精度を落とす要因と対策

装置のカタログスペック上の精度が出ていても、実際の生産では狙いどおりに接合できないことがあります。主な要因は次の4つです。

ウェーハ・基板の反り

薄型化した基板やチップは反りが生じやすく、平面として位置を合わせても、実際の接合面では高さ方向のばらつきが生じます。反りが大きいと、一部の端子だけ未接合になるといった不良につながります。加圧条件や治具、実装順序による対策が必要です。

加熱による熱膨張差

チップと基板は材質が異なるため、加熱時の膨張量にも差が出ます。常温で完璧に位置を合わせても、接合温度に達した時点で相対位置がずれる可能性があります。材料の組み合わせと温度プロファイルを踏まえた補正が求められます。

装置の機械精度と環境条件

装置の据付精度、定期的な校正、そして温度・湿度・振動といった環境条件も精度に影響します。クリーンルームでの温度管理が行き届いた環境かどうかは、微細実装では無視できない要素です

接合後の検証体制

アライメントの良否は、外観からは判断できません。バンプ接合部は文字どおりチップの下に隠れているためです。X線検査や超音波探傷、断面研磨による観察など、接合結果を確認する手段を持っているかが、工程を改善できるかどうかの分かれ目になります

微細ピッチ実装を委託する際のチェックポイント

以上を踏まえると、アライメント精度が要求される案件の委託先は、次の観点で確認するとよいでしょう。

確認項目 見るべきポイント
対応可能な最小端子ピッチ 自社の要求ピッチに実績があるか
対応工法の幅 はんだ以外(導電性接着剤、固相拡散など)も選べるか
試作の受注単位 少量・1個単位から検証できるか
評価・解析設備 X線や断面観察など、接合品質を自社で確認できるか
設計段階からの関与 アライメントマークや構造の相談に乗れるか
一貫体制 試作から量産まで同じ体制で移行できるか

とくに開発段階では、試作を繰り返しながら条件を詰められる相手であることが重要です。量産専業の企業では小ロットの試作に対応できない場合もあるため、事前の確認をおすすめします。

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マイクロモジュールテクノロジー公式HP
画像引用元:マイクロモジュールテクノロジー公式HP(http://www.micro-module.co.jp/)

他社では難しい微細接合に対応

端子ピッチ30μmの実装や、6Gなど次世代通信で想定される200GHzクラスの実装に対応できる技術力を持ちます。フリップチップ実装では導電性接着剤、固相拡散、Au-Sn(ハンダ)固相拡散など複数の工法に対応しており、製品の要求に応じた接合方法を選択できます。

自社工場と評価設備を保有

本社にクラス1000のクリーンルームを備えた自社工場を持ち、フリップチップボンダ、ダイボンダ、ワイヤボンダ、トランスファモールド装置などを完備。さらにボンドテスタ、X線透過装置、実体/測定顕微鏡、精密研磨装置といった評価・解析装置も保有しており、接合品質の検証まで社内で完結できます

1個からの試作と、量産までのワンストップ体制

回路実装基板の小型化やモジュール開発を手がける研究開発型企業として設立された背景があり、構想・設計・試作・評価・量産までをワンストップで対応。実装は1個から受注しており、新商品・新技術の開発フェーズから相談できる体制です。大手電機メーカーや自動車部品メーカーとの取引実績に加え、国の研究機関や大学への技術提供も行っています。

こんな案件に適しています

小型化・高速化に向けた高精度な実装が求められる、イメージセンサのパッケージング、カメラモジュール、次世代通信デバイスなど。

まとめ

アライメントは、半導体の前工程では回路パターンの重ね合わせを、後工程の実装ではチップと基板の位置合わせを担う工程です。とくにフリップチップ実装では、位置ズレがオープンやショート、接続抵抗の増大といった不良に直結し、端子ピッチが狭くなるほど許容される誤差は小さくなります

精度を確保するには、装置の性能だけでなく、反りや熱膨張への対策、環境管理、そして接合結果を検証する設備までを含めた総合力が必要です。委託先を選ぶ際は、対応可能な最小ピッチと工法の幅、試作の受注単位、評価設備の有無を確認するとよいでしょう。

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フリップチップボンディング
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テクノロジー
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画像引用元:マイクロモジュールテクノロジー公式HP
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小型化・高速化に向けた高精度な実装が求められるイメージセンサのパッケージングやカメラモジュール、次世代通信などへの対応に適しています。

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画像引用元:グロース公式HP
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※2024年10月確認時点:参照元:ピーダブルビー公式HP(https://pwb.co.jp/service/assembly/

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