フリップチップ実装では、チップと基板をはんだバンプで接合したあと、チップと基板の隙間に樹脂を充填する「アンダーフィル」と呼ばれる工程が行われます。バンプによる電気的な接続だけでは実現できない機械的な信頼性を補う、フリップチップ実装に欠かせない工程です。
ここでは、アンダーフィルの役割や材料の種類、必要とされる理由について紹介しています。
フリップチップ実装は、チップと基板を点在するバンプのみで接続する構造のため、接合部にかかる応力がバンプ1点1点に集中しやすいという特性があります。アンダーフィルは、この隙間を樹脂で満たすことでチップ全体を基板に固定し、バンプにかかる負荷を分散させる役割を担っています。
樹脂がチップと基板を面全体で接着することで、温度変化によって生じるチップと基板の膨張・収縮の差(応力)を樹脂全体で受け止め、バンプへの負荷を軽減する仕組みになっています。これにより、熱サイクル試験や落下試験などの信頼性評価に耐えうる接合品質を実現しています。
キャピラリーフロー型は、バンプ接合が完了したあとにチップの端から樹脂を流し込み、毛細管現象によって隙間全体に浸透させる方式です。もっとも広く使われている方式で、狭いギャップにも樹脂を行き渡らせやすいという特徴があります。
ノンフロー型は、バンプ接合前にあらかじめ基板側に樹脂を塗布しておき、チップ搭載と同時に樹脂を押し広げながら接合する方式です。樹脂の浸透工程が不要なためタクトタイムを短縮できる一方、樹脂量や粘度の管理がより重要になります。
半導体チップと基板は、材料が異なるため熱膨張係数(CTE)に差があり、動作中の温度変化によって膨張・収縮量に差が生じます。この差はバンプ接合部に応力として集中しやすく、繰り返しの熱サイクルによってクラックや断線を引き起こす原因になります。アンダーフィルはこの応力を樹脂全体に分散させ、接合部の破壊を防ぎます。
アンダーフィルによってチップと基板が面全体で接着されることで、外部からの衝撃や振動がバンプ接合部に直接伝わりにくくなり、スマートフォンなど落下・振動が想定される機器での信頼性向上に寄与します。
アンダーフィルの品質は、樹脂中にボイド(気泡)が残らないよう充填することや、硬化条件(温度・時間)を適切に管理することに大きく左右されます。ボイドが残ると応力緩和の効果が十分に発揮されず、信頼性試験で不良が発生する原因となるため、実装工程における重要な管理ポイントの一つです。
アンダーフィルは、フリップチップ実装のバンプ接合を陰で支える重要な工程です。委託先を選定する際は、キャピラリーフロー型・ノンフロー型どちらに対応しているか、またボイドの少ない充填技術を持っているかといった点を確認しておくと、求める信頼性水準に合った企業選定がしやすくなります。
フリップチップボンディングを含めた半導体製造後工程を委託することができる企業の中で、高度な技術による「小型化・高速化」、複数製造会社での分散対応による「短納期」、部品調達による「低コスト」と、それぞれの特長を持つおすすめの企業を紹介します。ぜひ委託先を選定する際の参考にしてください。

端子ピッチ30μmの実装や6Gなど次世代通信の200GHzクラスの実装が可能な技術力を持つ企業。他社では対応が難しい微細接合にも対応できます。
小型化・高速化に向けた高精度な実装が求められるイメージセンサのパッケージングやカメラモジュール、次世代通信などへの対応に適しています。

高い技術を持つ製造会社を委託先に持つ、自社工場を持たないファブレス企業。1案件を複数の企業で分散対応できるため短納期が実現可能です。
スマートデバイスやPC関連機器、IoTデバイスなど製品のライフサイクルが短く、迅速な製品投入が必要な場合に適しています。

部品調達において国内外に50を超える多様なネットワークを構築(※)しており、低価格での仕入れが可能。低コストでの量産を実現できます。
家庭用電子製品やオーディオ機器製品など、売れ行きが予測できる製品のシェア拡大を狙った量産が求められる場合などに適しています。
※2024年10月確認時点:参照元:ピーダブルビー公式HP(https://pwb.co.jp/service/assembly/)