フリップチップボンディングは、ロジックICやメモリといった一般的な半導体パッケージだけでなく、MEMS(微小電気機械システム)デバイスやセンサーの実装にも広く活用されています。微小な構造体を扱うMEMS・センサーでは、実装方式そのものがデバイスの性能や信頼性を左右するため、フリップチップボンディングが持つ特性が重要な役割を果たしています。
ここでは、MEMS・センサーデバイスにおけるフリップチップボンディングの活用分野と、求められる技術要件について紹介しています。
MEMSデバイスは、可動部や微小な構造体をシリコン基板上に形成した精密な機械要素であり、一般的な半導体チップと異なり、実装時の圧力や熱、封止方法がデバイスの動作特性に直接影響します。ワイヤーボンディングでは配線が構造体の可動域を妨げたり、寄生容量が動作精度に影響したりすることがあるため、チップを反転させて基板に直接接続できるフリップチップボンディングが採用されるケースが増えています。
赤外線センサーは、受光素子と信号処理回路を近接配置し、ノイズの少ない信号伝送を行う必要があるデバイスです。フリップチップボンディングによる短い接続経路は、微弱な赤外線信号を扱う上で有利に働くため、サーモグラフィーや監視機器向けのIRセンサーで活用されています。
圧力センサーや加速度センサーは、センシング部にかかる応力や振動を正確に検出する必要があり、実装時の応力がそのまま検出誤差につながります。フリップチップボンディングは接続部の高さを抑えられるため、余分な応力をセンシング部に伝えにくいという特性があり、自動車や産業機器向けセンサーの実装で採用されています。
バイオセンサーや医療用センサーでは、微小なサンプル量や微弱な生体信号を高精度に検出することが求められます。フリップチップボンディングによる省スペースな実装は、センサーチップの小型化と検出感度の両立に寄与するため、ウェアラブル機器や検査機器向けの医療用センサーでの活用が進んでいます。
MEMSデバイスの多くは可動部を外部の水分や異物から保護するための気密封止が不可欠です。フリップチップボンディングを適用する際は、通常の半導体パッケージ以上に、接合工程が気密性や可動部の動作特性に悪影響を与えないよう、圧力・温度条件を厳密に管理することが求められます。
MEMS・センサーデバイスは、製品ごとに電極サイズや配置が大きく異なる傾向があり、汎用的な半導体パッケージ以上に個別対応が必要になるケースが多くあります。そのため、多品種少量生産や特殊な電極形状にも柔軟に対応できる実装技術・体制を持つ委託先を選ぶことが重要です。
IoT機器や自動車の高度化に伴い、MEMS・センサーデバイスの需要は年々拡大しており、それに伴ってフリップチップボンディングによる高精度・省スペースな実装ニーズも増加しています。一般的な半導体パッケージとは異なる技術要件が求められる分野であるため、委託先を選定する際は、MEMS・センサー実装の実績や気密封止への対応力を確認しておくことが望ましいといえます。
フリップチップボンディングを含めた半導体製造後工程を委託することができる企業の中で、高度な技術による「小型化・高速化」、複数製造会社での分散対応による「短納期」、部品調達による「低コスト」と、それぞれの特長を持つおすすめの企業を紹介します。ぜひ委託先を選定する際の参考にしてください。

端子ピッチ30μmの実装や6Gなど次世代通信の200GHzクラスの実装が可能な技術力を持つ企業。他社では対応が難しい微細接合にも対応できます。
小型化・高速化に向けた高精度な実装が求められるイメージセンサのパッケージングやカメラモジュール、次世代通信などへの対応に適しています。

高い技術を持つ製造会社を委託先に持つ、自社工場を持たないファブレス企業。1案件を複数の企業で分散対応できるため短納期が実現可能です。
スマートデバイスやPC関連機器、IoTデバイスなど製品のライフサイクルが短く、迅速な製品投入が必要な場合に適しています。

部品調達において国内外に50を超える多様なネットワークを構築(※)しており、低価格での仕入れが可能。低コストでの量産を実現できます。
家庭用電子製品やオーディオ機器製品など、売れ行きが予測できる製品のシェア拡大を狙った量産が求められる場合などに適しています。
※2024年10月確認時点:参照元:ピーダブルビー公式HP(https://pwb.co.jp/service/assembly/)